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  • 最終更新
    2024/04/22
#雑記 #神話伝承系
 
プリニウスの「博物誌」の中に、ドルイドが珍重していた「蛇の卵」の記述があって、それが一体なんなんだろうなーと読んだ時からずっと気になっていて、思い出したときのんびり調べたりしてたのですが。
多分これというものが見つかった…のはいいんですけど、蛇は全然関係ないものにしかみえない…という事になりまして。

日本語記事で見かけた中には、バフンウニとかウニ化石の殻では?って書いてあったのもあったんですが、どうも実際今出てきている発掘品からするとそれは違うっぽい(発掘品はどちらかというと指輪みたいな形をしています)
「かぜたまご」の名称からするとウニ説もいいな!って思わず思ってしまうんですが。

これますます気になるなあ。どの辺から蛇が想起されちゃったんだろう~~
おそらくは、この物品はカモメガイやイシマテなどの穿孔貝の類が関係してる、海でよく見かける穴が貫通してる石のことっぽいのです。

ああーあれかー確かに沢山穴あいてるとタコの吸盤状だしよくみるよくみる!ってなりましたが。
この蛇の卵は蛇が何頭も絡まってその泡からできる、みたいなことが博物誌にはあるんですけど。
どうみても蛇関係物には見えない…どこからきたの蛇…
単に珍重さの箔付けのための伝承だった、可能性ももちろんあるんですけど、今まで調べてきたものって結構なるほどそうみえるな!とか根拠がわかるようなかたちとか形状のものが多かったので。もうちょっと調べてみたい。

穴の周りに余白がないタイプの石が蛇の目に似ていたから、としている記事もあるんですけど、あまり…みえない…気がする……そうなの?
蛇が集まってその唾液がぽたぽた垂れて、それが石を長い事穿って穴が開くみたいなのもみかけましたが、まだこちらのほうがわかるというか。ドルイドは蛇と関連深かったという話もあるからそれなのかなあ。なぜそこで蛇を連れてきたんだろう。謎が深まっています。
貝が穴をあけられる石は泥石みたいに割と普通の石よりは軽く脆いもののはずなので、本物は水に浮く、って記述は合致すると思うんですけど。蛇ほんとどこから想起されてきたの。

でも、おかげで、ドルイドとの関連はともかく日本の海辺では割とよく見かけるあの穴開き石が欧州近辺ではとても古くから珍重されていて、物凄く魔除けになっているという付加情報を得られたりでした。日本だとあの手の石ってそんなにまで珍しくもないんですけれど、生成されるのが海の底とかなのでそれが日本の場合は地震が多いため、割れて浜辺に良く打ち上げられるから割とよく見るとかかな、と考えちゃったんですけどどうかなー
多分こんなおまじない石の希少性についての日本との差だとか、どうでもいいことについて調べてる学者さんはいない気がする…

ドルイドの蛇の卵。一説に、現在ではアダーストーンとして伝わるもの。

あの穴から片目でのぞきこむと、妖精や妖精の国、異界が見える
または魔女の魔法や他人の嫉妬から守ってもらえる護符になったり、魔法を打ち破ったりできるお守りになる。流れる水によって生まれる石で、流れる水には魔法は効かないため(これはとてもメジャーな伝承)、最高に強い魔法破りの護符となる。
…んだそうです。

そんな伝承があちらではメジャーみたい。現代にまで伝わってる生き残っている民間伝承ですね。面白いな~
蛇の卵については「プリニウスの博物誌 」に記載が在り。博物誌は個人的にはとても面白いです。プリニウス先生の独断と偏見でまとめられた記事がほんとに面白すぎる…(漫画版プリニウスもとても面白いです)
英語版だと「 I have seen that egg as large and as round as a common sized apple, in a chequered cartilaginous cover, and worn by the Druids.」プリニウス先生は実際ドルイドが持っているのを見たことがあるそうで。凄くみたかったなー…!博物誌では蛇の卵は訴訟のお守りとされています。この記載だとウニの殻っぽい気がするんですが。真実はどちらだったのか…畳む


あちらではとっても珍しいかぜたまご。キャスニキも海釣りの際に拾って歩いたりしてる気がしたり。
いつかちょっと描いてみたいな。
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以下、プリニウスの博物誌英語版より該当箇所を引用しておいておきます。

“There is a sort of egg in great repute among the Gauls, of which the Greek writers have made no mention. A vast number of serpents are twisted together in summer, and coiled up in an artificial knot by their saliva and slime; and this is called “the serpent’s egg”. The druids say that it is tossed in the air with hissings and must be caught in a cloak before it touches the earth. The person who thus intercepts it, flies on horseback; for the serpents will pursue him until prevented by intervening water. This egg, though bound in gold will swim against the stream. And the magi are cunning to conceal their frauds, they give out that this egg must be obtained at a certain age of the moon. I have seen that egg as large and as round as a common sized apple, in a chequered cartilaginous cover, and worn by the Druids. It is wonderfully extolled for gaining lawsuits, and access to kings. It is a badge which is worn with such ostentation, that I knew a Roman knight, a Vocontian, who was slain by the stupid Emperor Claudius, merely because he wore it in his breast when a lawsuit was pending.”畳む