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  • 最終更新
    2024/04/20
#雑記 #神話伝承系
なんとなく寝る前にイメージつかみなおしも兼ねて創元社の「ケルト神話・伝説」を読み直しているのですけども、伝承上のクーフーリンの特徴的なところは紙一重というかやはりその尋常でない獰猛さにある気がするので、時々オルタニキの方がキャスニキより近いのではという気持ちになったりします( Táin Bó Cúailngeはこの本かなりわかりやすく描いてくれてるのでイメージしやすい)
一行で百人くらい、あっさりと、さっくり殺す。しかも、無造作に、興味なさげに。それが何度も何度も出てくるという。その戦い方はもう戦いというより次元が違う凄まじさ。

通常時は非常に美しい姿をしているのだけれども、戦の際にríastrad、つまり「ねじれの発作」を起こしたときはどうひいき目に見ても化け物の姿になるし、その生死の感覚もどこか通常の人間は突き抜けていて、古い神のような価値観であるところ。
生死に関する感覚が、同時代のフェルグスやコナルに比べても著しくぶっ飛んでいる。
その感覚は人間というより、アポロン神のような、古い神の感覚にどこかしら似ていると思うのです。たぶん視座が元からやはり人間とは違う。

人間と神のはざまにあり、また美しいものと化け物のどちらもの姿を持つその二面性、どちらが本当とかではなくどちらも1セットで本性なんだろうなあと。
以前からその姿も描いてみたいなーとは思ってるんですけど、六章では出るかなあ。
他の古代の神話と比べても、クーフーリンくらい普段の姿が美しいけども、戦闘時最高に怒りが高まるとあそこまでの化け物になるという描写が強調されているのはあんまり見たことがないと思います。そこまで人外な描写って必要…??みたいに思うくらいものすごい強調された人外描写があるわけですが、あれって古代に何かほかのモチーフがあったりしたのかなあ…?それくらいに、かなり独特な変身の姿の、子細な描写。

キャスニキを描くときは、神話の、特に美しいと描写された部分を意識して描くようにしてるんですけども、クーフーリンであるならあの変身するんだよなあ。というかクーフーリンズは全員同座のものであるなら本質的には全員あの姿になれるんですよね。改めて考えると色々とすごい(現代のお話でも変身ものって人気ですけど紀元前から人間の好む物語の形が変わってないのは、それはそれで信頼感があります)

なんとなく、常の姿からあの姿になるというと、現代感覚だとコンプレックスみたいなものも引き起こしそうなものですけどクーフーリンの場合それ全然ないんですよね。あの変化を普通に受け入れてる社会のせいかもしれないですけど。そのあたりいつもとても興味深いなあと思ったりします。どういう精神構造なんだろう、とか。コンプレックスどころかいつも自信満々ですし。なんというか、つくづく強い。
オルタニキ幕間で槍クーが自らのその姿を史上最高にロクでもない代物、みたいな表現をしていたので一応本人的にもそういう意識自体はあるようなので、表には出さないけれど、思うところは色々とあるのかもしれない、なんてあれこれ考えるのは面白いです。



他人と自分が違うのはもう生まれてしまったことだから考えない。
人間とは、普通とは違うけれどどうやって、それを生かしていくか。

ついに六月が来ますね。こわい、楽しみ、なんだか色々なきぶん。
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