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  • 最終更新
    2024/04/19
#雑記#植物  少し前から昔の人たちが使っていたという民間の薬草の本を読んでいるのですけど、調べていると、ナス科の植物が結構多い事に気づきます。ギリシャ神話でキルケーがその昔オデュッセウスを誘惑するために飲ませたものに混じっていたという有名な毒草ヒヨス、これもナス科。数々の伝説に彩られた毒草のマンドレイク、そして同じく有名な毒草ベラドンナもナス科。

ナス科の毒草は大体が同じような症状が出る毒なのか、幻覚や錯乱、麻痺など字面だけでも恐ろしい効果が並びます。キルケーの場合、ヒヨスは特に毒が強くて劇薬に分類されるような毒草なので普通に飲ませたら死んでしまうか大変に苦しませると思ってしまうんですが、恋の薬として飲ませてますし、組み合わせる他の植物の成分で効果を調整したり、適量みたいなのが多分あるんでしょうね。このあたりが昔の人の知恵なのかも。さすがは大魔女。
神経に働きかける成分のせいなのか、使い方によっては性欲を刺激するそうなのでそのせいなのかなあ…基本的に伝達物質を阻害して脳や神経などに一時的な麻酔、麻痺を起こすようなので多分理性が普段より飛ぶとかそんな感じな気がします。最初にその効果見つけた人、ある意味すごいというか、どうしてその効果が見つかったんだ という気になってしまいますが。

ヒヨスの学名のHyoscyamusとは「ブタの豆」の意で、これの中毒に遭った人間が理性を損ない獣、豚のようになるという意味でつけられたといわれています。
キルケーが杖で打って人間を豚にしていたという伝説は、もしかしたらヒヨスの毒性に由来があったのやも、なんて思ったりも。

そんな恐ろしいヒヨス、幻覚を起こし、狂気呼ぶ草ともいわれていましたが、アポロンの神託を受けとるために巫女たちもその煙を使用したというし、ちょっと前までは普通にビールにも使われていた というし、基本的に毒草は使い方さえ間違えなければ死にませんし、効果が強烈なぶんいい薬になるのが多いです。
魚のフグみたいに、何代にも渡って経験を継承しながら、薬として効果を発揮する部位や適量を人間は導き出していったのでしょう。
ちなみに現在ヒヨスは沈痛系の薬に使われていて、現在でも現役で利用され続けています。
紀元前から民間に伝わっていた植物の知恵は、今も現役なんですよね。アポロンの巫女たちやドルイドや、魔女達のように時には滅ぼされたりひどく弾劾されながらもその知恵は時を超えてひそやかに、ずっと伝えられ続けてきました。

人間個人は死んでも、その知恵は人の間で生き続ける。
その連綿と続き積み重ねられ続けてきた人類の知恵の歴史に、思いを馳せるのがすきだったりです。
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